世界大百科事典(旧版)内の《先験哲学に関する試論》の言及
【マイモン】より
…マイモニデスに親しみタルムード研究から批判的分析の方法を学ぶ。ポズナンを経てベルリンへ至り,一時M.メンデルスゾーンに私淑,ライプニッツ,スピノザ,ロック,D.ヒューム,とりわけカントの批判哲学を研究し,《先験哲学に関する試論》(1790)は,カント自身によって最も洞察的なカント批判とみなされた。マイモンは,カントのいう〈物自体〉を不可知であるばかりか思惟不可能な,いわば意識の限界概念であるとし,カントの現象界と物自体界の二元論を批判した。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」