世界大百科事典(旧版)内の光エーテル系の言及
【エーテル】より
…例えばホイヘンスの波動説に対してまっこうから反対して〈光の粒子説〉を唱えたと言われるニュートンでさえ,屈折現象に関しては,エーテルに頼っている。他方,ガリレイ以降,運動の相対性は当然のこととして受け入れられつつも,なお,ニュートンの絶対空間の提案にも見られるように,力学において,すべての運動を定義するための〈絶対静止系〉を,宇宙空間そのものの上に重ねて理解しようとする傾向は根強く存在し,光波動の媒体として実体化されたエーテル系(光エーテル系と呼ばれる)を,絶対静止空間とみなす暗黙の了解が生まれた。T.ヤングやフレネルによる光の波動説の再確認(18世紀末から19世紀初頭)によって,この了解は公的なものとなったと言ってよい。…
※「光エーテル系」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」