世界大百科事典(旧版)内の光行差定数の言及
【極望遠鏡】より
…地球の自転軸の方向の天球における見かけの位置を測定するための天体写真望遠鏡。これによって,自転軸のみそすり運動の反映である歳差と章動および地球の公転速度を表す光行差定数を決定する。天の北極に向けて固定した望遠鏡で星野を長時間撮影すると,北極星など極周辺の恒星は大小の円弧状に写るが,各円弧の中心は同一点であり,これが恒星天に対する自転軸の方向である。…
【光行差】より
… 1725年イギリスのJ.ブラッドリーは,ロンドン近郊のキューに設置した天頂セクターという長さ3.8mの特殊望遠鏡を使い,ロンドンの天頂を通過するりゅう座γ星の赤緯変化を精密観測して年周視差を発見しようとしたが,検出された結果は年周光行差であった(1728)。年周光行差の場合にはどの天体に対しても一律にk=20.″49であり,これを光行差定数というが,年周視差の場合には天体の距離に応じて,このずれの角度は異なり,もっとも近い星の場合でも視差p=0.″760という微小角で,ブラッドリーの測定精度では達しえなかった。また,ずれの方向は光行差楕円と視差楕円では位相が90゜異なっている。…
※「光行差定数」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」