世界大百科事典(旧版)内の全司法仙台事件の言及
【公務員】より
…そして労働基本権の制限は必要最小限度でなければならず,違反者に対する刑事制裁(国家公務員法110条1項17号,地方公務員法61条4号)も必要やむをえない場合に限られる等の基準を示した(直接には現業国家公務員について)。その後この判旨は,非現業地方公務員に関する都教組事件,非現業国家公務員に関する全司法仙台事件に関する最高裁判決(ともに1969)で踏襲されたが,73年にいたり前述の全農林警職法事件で最高裁は判例を変更し,公務員(直接には非現業国家公務員)につき刑罰による争議行為の一律禁止を合憲とした。最高裁は岩手教組学テ事件判決(1976)と名古屋中郵事件判決(1977)を通じてこの考え方が公務員一般にまで及ぶことを判示した。…
【スト権奪還闘争】より
…法律で争議行為を禁止されている公務員および公共企業体職員の争議権を回復するための労働組合の闘争をいう。1945年制定の労働組合法では公務員にも争議権が認められていたが,以下にのべる経過で争議行為は禁止されるに至った。1948年7月マッカーサー書簡にもとづいて発せられた政令201号は,現業を含むすべての公務員の争議行為を禁止し,続いて同年12月改正施行された国家公務員法は,職員団体の結成は認めたが,その構成員を職員に限定し,団体交渉権を制限し,かつ争議行為を全面一律に禁止し,その〈遂行を共謀し,そそのかし,もしくはあおり,又はこれらの行為を企てた者〉に刑罰を科することとした(1951年2月施行の地方公務員法も同様の措置を講じた)。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」