…参詣人は境内で迎え鐘を突き,本堂で経木に戒名を書いてもらって水回向(えこう)をし,門前で買い求めた高野槙(こうやまき)に精霊を宿らしてわが家に持ちかえる。これを〈六道参り〉という。当寺の迎え鐘の音は冥府はもとより唐国までとどくと,《古事談》に語られるほど有名であり,また境内には昼は朝廷に,夜は閻魔(えんま)庁につとめたという平安初期の有名な官人歌人小野篁をまつる〈篁堂〉もあって,亡者の鎮魂の信仰伝承に富む寺である。…
※「六道参り」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」