共示義(読み)きょうじぎ

世界大百科事典(旧版)内の共示義の言及

【写真】より

…たとえば先の〈犬〉というある特定の小動物を意味(表示denote)する語が,ときにある種の(その語を用いる人にとっては)嫌悪すべき人物を意味(共示connote)しうるのは,上記のような外的な枠組みのいずれかにこの語が置かれた場合であるし,〈バラ〉というある特定の植物(の花)を意味(表示)する語が,ときに愛情を意味(共示)しうるのも同様の例であろう。また,〈前向きに検討する〉という言葉が表示義,共示義の2通りの読みができることは,説明するまでもなく,われわれのよく知るところである。言語の場合に,この表示義と共示義は,しばしば併置され,ときに重なり合い,またときに対立しながらわれわれに何らかのメッセージを伝えるのであるが,そのような視座から見た場合の写真メディアの特殊性は,一方の表示義,あるいはそれに相当する部分が,〈そのものずばりの現実〉あるいは〈論議の余地のない真実〉として,多くの人々にかなり強く意識されているという点である。…

※「共示義」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」