世界大百科事典(旧版)内の具体的有用労働の言及
【資本論】より
…マルクスはこの一つの一般的等価物への展開の必然性の解明に成功してはいない。 これは,マルクスが商品分析の最初で,1クオーターの小麦=aツェントナー(kg)の鉄,という交換価値等式から,互いに異なる使用価値の面と,その使用価値をつくる具体的有用労働の面を捨象し,抽象的人間労働を両項に共通な等しい〈価値の実体〉として取り出した視点からきている。 具体的な有用労働と抽象的人間労働との〈労働の二重性〉の規定は,〈価値形態〉論とともに,マルクスが古典派経済学への批判点として独創を誇るものであったが,ここでもマルクスは不可解な撞着におちいっている。…
※「具体的有用労働」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」