世界大百科事典(旧版)内の《内気な恋人》の言及
【マーベル】より
…《庭》《アップルトン屋敷を歌う》《子鹿の死を悲しむニンフ》など,無限の陰影を含む抒情詩は,清教主義と国教会主義,政治的参加と隠棲,自然と人工等々の対立的要素の中間で,複雑で微妙な心情的バランスを保つ手段であったといえる。また英詩史上もっとも完ぺきな機知の詩の一つに数えられる《内気な恋人》では,ダンに始まる〈形而上詩〉の知的なイメージ操作と,古典文学的な平衡感覚がみごとなバランスを保って,詩的感性の成熟の極点を示している。20世紀になってT.S.エリオットらの絶賛を集めたゆえんであろう。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」