世界大百科事典(旧版)内の出産外傷の言及
【心的外傷】より
…無意識へと抑圧された心的外傷はコンプレクスを形成し,後年その人の精神生活に影響を及ぼす。ランクOtto Rankの出産外傷(母胎から離れて未知の世界へ出た不安)やフロイトの原光景(両親の性交場面の目撃)などは心的外傷の代表的なものとされる。しかし,フロイトははじめ抑圧された幼時期体験を外傷と呼んだが,外傷とは身体的なものでは外傷を受けた時点で即時的に損傷(症状)が目に見えて出現するものであるので,のちにこれは外傷の概念に当たらないと考え,むしろ神経症などの症状形成に直接的に作用した後年の偶発的体験を外傷と呼んだ。…
※「出産外傷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」