出立ちの膳(読み)いでたちのぜん

世界大百科事典(旧版)内の出立ちの膳の言及

【葬式】より

…僧侶の式が終わると縁側から出棺する。〈出立ちの膳〉を食べた後,仮門をくぐり出発する。一把わらで送り火を焚き,生前使用の茶碗を割る。…

【盃事】より

…盃をとりかわしそれによって約束をかためること。酒はもとはハレの飲みもので,神祭に際して醸され,ひとつ盃を大勢で飲みまわして神霊と人,人と人を結合させたり,その結合を強化,確認するためのものであった。やがて人間相互の緊密な関係の誓いに際しても盃事が行われるようになった。近世以来酒を飲む器として猪口盃が普及しめいめいの盃で酒を飲むようになったが,正月の屠蘇(とそ)や婚姻の際の盃事ではまだ同じ盃で飲みかわしており元の意義を残している。…

【出立ち】より

…嫁入りの日,荷物を送り出してから行う酒宴や,嫁が実家を出るとき家人と別れの膳につくことをも出立ちという。出棺のとき,出立ちの膳といって,親族縁者が飲食したり,また出棺直前に会葬者に椀のふたなどで1杯だけの酒をのませ,出立ちの酒というところがある。入嫁や死をも長旅の別れとみての習俗である。…

※「出立ちの膳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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