最新 地学事典 「分別結晶作用」の解説
ぶんべつけっしょうさよう
分別結晶作用
fractional crystallization
マグマの結晶作用において,結晶がメルト(液相)から分別されたり,あるいはメルトが結晶粒間から分離して残液の全岩化学組成が変化する結晶作用。この場合,理想的にはメルトから結晶を生成する反応系では自由エネルギー変化が起こらず(∆G=0),結晶作用は系の平衡を保ちながら進行する。この語は初め,一つの貫入岩体内部でモード組成や全岩化学組成の異なる不均質な岩体をつくる結晶作用に用いられたが,N.L.Bowen(1928)以後,結晶の沈下や浮上,残液メルトの絞出し,累帯構造をもつ結晶成長などによってメルトと結晶の分別が起こる結晶作用の意味で使われている。マグマの分化の主要な原因の一つとされる。このような結晶作用でつくられる岩石は,一般に分別結晶を生じたマグマの化学組成を示さない。その代表例としてキュームレイト(集積岩)がある。
執筆者:新井田 清信
参照項目:平衡結晶作用
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

