世界大百科事典(旧版)内の分棟型民家の言及
【住居】より
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【総説】
住居の類語としては,すぐに住宅・住いがあげられる。住宅と住居を比べると,住宅のほうが人間のすみかとしての建物の側面を強く含意する。住い(すまひ)は〈すまふ〉の連用形の名詞化であり,当て字として〈住居〉を用いることがある。つまり住居と住いは一応同義ととらえてよいし,そこには住むという人間の能動的な営み,すなわち人の暮しが浮き出されている。《日本大辞書》(山田美妙著,1892‐93)によると,〈すむ〉には(1)居所を定める〈住む〉,(2)濁りがなくなる〈澄む(あるいは清む)〉,(3)事終わってすべて澄むの〈済む〉があてられており,《岩波古語辞典》では〈すみ(棲み・住み)〉は〈スミ(澄)〉と同根であり,あちこち動きまわるものが,一つ所に落ち着き定着する意とある。…
【民家】より
…このような形式の屋根が一棟だけで構成されているものを直屋(すごや)と呼び,別棟が組み合わされる形式を西日本では角屋(つのや)と呼び,東北地方では曲り屋(岩手県など)や中門(ちゆうもん)造(山形県,秋田県など)と呼ぶ。また,棟が分かれていながら,軒を接し,空間的には一連のものとして使われる形式を分棟(ぶんとう)型民家と呼んでいる。屋根葺き材の種別では,茅葺き(かやぶき)(藁葺き),杉皮葺き・板葺き(ともに石置屋根),桟瓦(さんがわら)葺き,本瓦葺きがある。…
※「分棟型民家」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」