ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「制限主権論」の意味・わかりやすい解説
制限主権論
せいげんしゅけんろん
「ブレジネフ・ドクトリン」のページをご覧ください。
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…1956年以後,ソ連は東ヨーロッパ諸国に相対的により大きな自主性を認めるようになっていたが,68年春,チェコスロバキアで〈人間の顔をした社会主義〉を目ざす実験が始まると,しだいに警戒心を強め,ついに8月,ソ連・東欧5ヵ国軍隊を進攻させて改革の動きを圧殺した。そして個々の社会主義国は社会主義共同体全体に対し責任を負っているという〈制限主権論〉(またはブレジネフ・ドクトリン)を定式化した。こうしてソ連は,社会主義体制の〈自由化〉には絶対的限界のあることを明示した。…
…すなわち同機構は東欧諸国のソ連からの離反や,社会主義体制からの逸脱を阻止するという対内的機能をも果たしていたのである。1956年に同機構を脱退して中立国化を試みたハンガリーをソ連は武力で抑圧したし(ハンガリー事件),68年には〈人間の顔をした社会主義〉を実現しようとしたチェコスロバキアに対して,〈社会主義共同体全体の利益は個々の国家主権に優位する〉といういわゆる制限主権論(ブレジネフ・ドクトリン)のもとに,東ドイツ,ポーランド,ハンガリー,ブルガリア各国軍とともに侵入し,チェコスロバキアの改革を抑圧したのである。また80年にはポーランドにおいて,労働者の自主管理労組〈連帯〉の運動に対して,ソ連は間接的な威嚇を行い,それによってこの運動を挫折させたといってよい。…
※「制限主権論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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