《劇的なるものをめぐってII》(読み)げきてきなるものをめぐって

世界大百科事典(旧版)内の《劇的なるものをめぐってII》の言及

【前衛劇】より

… 次に,66年に早大出身の演出家鈴木忠志(1939‐ ),同じく早大を中退した劇作家の別役実(べつやくみのる)(1937‐ )らによって結成された〈早稲田小劇場〉は,早稲田の喫茶店2階に稽古場兼用のアトリエを持ち,別役実,佐藤信,唐十郎らの作品を次々と上演した。70年には,69年の《劇的なるものをめぐってI》に続いて,〈白石加代子ショウ〉と副題の付された《劇的なるものをめぐってII》を構成・上演,これは4世鶴屋南北の《桜姫東文章(さくらひめあずまぶんしよう)》,S.ベケットの《ゴドーを待ちながら》,泉鏡花の《湯島の境内》などの複合からなる夢と現実のはざまの世界を,同劇団の中心女優白石加代子演ずる狂気の女がさまよい生きるという内容のもので,従来の演劇における〈戯曲〉〈近代的俳優術〉などといった固定化した枠組みを解体させ,ゼロの地点から出発しようとする画期的な試みであった。その後は《トロイアの女》(1974),《バッコスの信女》(1978)などのギリシア古典劇の世界に拠った良質な舞台を作り出す一方,海外でも多くの公演を行っている。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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