千手前(読み)せんじゅのまえ

朝日日本歴史人物事典 「千手前」の解説

千手前

没年:文治4.4.25(1188.5.23)
生年:永万1(1165)
平安後期,駿河国手越宿(静岡市)の遊女で,長者の娘。北条政子女房平重衡が一の谷の戦で生け捕りとなり,元暦1(1184)年4月,源頼朝に引き渡されるために鎌倉に下向した際,その湯浴みの世話をし,今様を歌い琴を弾くなどして慰めた。重衡の処刑後,重衡に対する恋慕の念から発病して死んだとも,善光寺に出家して重衡の後世を弔ったともいう。<参考文献>冨倉徳次郎『平家物語全注釈』下

(細川涼一)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の千手前の言及

【千手】より

…《千寿》とも書く。《千手前(せんじゆのまえ)》とも称する。平物(ひらもの)。…

※「千手前」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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