世界大百科事典(旧版)内の南方占領地行政実施要領の言及
【太平洋戦争】より
…その目的は,日本の傀儡政権である同政権の維持費その他の財源確保と〈毒化〉による中国の抗戦力の麻痺にあり,39‐42年に同政権が販売したアヘンは714t,約50万~80万名のアヘン中毒者の年間吸飲量に相当する量であり,その他にヘロインなども販売した。 これに対し東南アジアの占領地に対する支配方針は,〈南方占領地行政実施要領〉(1941年11月20日大本営政府連絡会議決定)によって定められたが,それはさしあたり占領地に軍政を実施し,軍政実施の目的は重要国防資源の獲得,治安維持および作戦軍の自活確保の3点であり,その本質は帝国主義的なものであった。日本軍は,インドネシア,フィリピン,マレーシア,ビルマなどで軍政をしき,親日的な現地の有力者や官吏を軍政機関に登用したり,のちには現地住民による〈政権〉を認めたりしたが,それらはいずれも現地指導者を傀儡(かいらい)として操る方式であり,軍政は現地住民に日本への絶対服従を強要する軍事独裁体制であった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」