南直隷(読み)なんちょくれい

世界大百科事典(旧版)内の南直隷の言及

【安徽[省]】より

…明は南京に都を置くとその周囲を国都の直轄地(直隷)として,他の行政区(布政使司)と区別した。のちに北京に都が移されてからもこれは南直隷として残され,その境域は江蘇・安徽両省の原型となった。清も当初は明の南直隷を引き継ぎ江南省と名を改めただけであったが,1662年(康熙1)安慶,徽州など9府4州を分割して,新しい巡撫(省の長官)の支配下に置いた。…

【江蘇[省]】より

…明の太祖は蘇州によって最後まで抵抗した張士誠を滅ぼして全国を平定すると,南京に都を定め本省を中央の直轄地としたのである。のち都が北京に移ってからも特別行政区という意味で,南直隷(河北省を北直隷といった)と称した。その地域は今日の江蘇・安徽両省にわたり,清代には江南省と改めたが,長江の上流に位置する安徽を上江,下流に位置する江蘇を下江といって区別した。…

【江南省】より

…中国の古い省名。1645年(順治2)に明代の南直隷(省)を江南省と改称したもの。省都は今の南京市にあたる江寧府で,省の範囲は現在の安徽・江蘇の2省にあたる。…

【明】より

…ただし道員は,隣近の各省に所属する形で設置されていた。北京遷都以後は,北京周辺は北直隷,南京周辺は南直隷とよばれたが,その地域は前者が後の河北省に,後者が江蘇・安徽2省の地に,ほぼ該当する。巡撫・巡按の派遣されたことは,直隷地方も各省と同じである。…

※「南直隷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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