世界大百科事典(旧版)内の卜兆の言及
【甲骨文】より
…獣骨を焼いて卜占(うらない)を行う法はずっと古い時期から存在したが,そこに文字を刻するのはほとんど殷代の安陽期に限られ,他に少数ではあるが,西周時代前半期の遺物も発見されている。卜占の手続の大略を述べれば,整形された亀甲や獣骨の裏面に鑽(さん)・鑿(さく)と呼ばれるくぼみを掘りこみ,その鑽の部分に焼けた木片などを押しつけて,表面に卜字形の割れ目(卜兆)を作らせる。その卜兆の出た表面に,卜占しようとした内容,ときにはその卜兆に対する王の判断と実際にいかなる結果が発生したかが,鋭い刃物でもって刻される。…
※「卜兆」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」