世界大百科事典(旧版)内の危険を回避する人の言及
【不確実性】より
…ある期待値をもった変動収益と効用の点でまったく無差別であるような確定収益を,その変動収益に対する確実性等価と呼び,変動収益の期待値とそれに対する確実性等価の差(通常は前者のほうが大きい)をリスク・プレミアムと呼ぶ。また,異なった分散―変動性をもち,同じ大きさの期待値をもつような二つの変動収益の間の選好に関連して,期待値が同じであれば,より分散の小さい,変動性の低いほうを選好する人(通常の企業の選好態度)を危険回避者(risk avertersの訳で〈危険を回避する人〉とも訳す)と呼び,それに対して,より分散の大きい,変動性の高いほうを選好する人(ばくち好きの人の選好態度)を危険愛好者(risk loversの訳で〈危険を好む人〉とも訳す)と呼ぶ。確率的表現を許す,この種の不確実性下の行動選択問題に関連して,選択ルールとして収益そのものの期待値の最大化をとる代りに,収益の効用の期待値の最大化を提唱するのが,J.フォン・ノイマン,O.モルゲンシュテルンによって基礎づけがなされた期待効用理論である。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」