世界大百科事典(旧版)内の参謀本部廃止論の言及
【参謀本部】より
… こうした参謀本部を中心とする軍部の台頭と制度上の強化は,日露戦争勝利による植民地拡大,列強との対抗のため加速され,政府の政策と一致しない動き(二重外交)を引き起こし,国内においては〈二重政府〉〈国家内の国家〉と評される状態が現出した。1920年,原敬内閣の高橋是清蔵相が〈参謀本部廃止論〉を唱えたり,世論が〈軍国主義の源〉と非難したのはこのような状況を踏まえてである。昭和期に入ると,国外における植民地・従属国の民族運動の高揚,国内における経済恐慌に対する政党勢力の無能という要因によって,再び参謀本部を中心とする軍部の台頭が起こり,やがて政治の実権を掌握していく。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」