《反古裏之書》(読み)ほごうらのしょ

世界大百科事典(旧版)内の《反古裏之書》の言及

【金春禅鳳】より

… 一方,1490年(延徳2)6月に禅竹の伝書《五音十体》を書写相伝(宛先不明)したのを皮切りに,1505年(永正2)9月には《囃之事》を著して宮増弥六に相伝,11年8月嫡子金春氏昭(氏照)に《五音之次第》を相伝するなど,精力的に執筆活動を行うかたわら,数々の謡本を書写・相伝した。このほか執筆年次不明の《反古裏之書(ほごうらのしよ)》《毛端私珍抄(もうたんしちんしよう)》や,12年2月以降の芸談を弟子の聞書した《禅鳳雑談(ぞうたん)》が知られる。いずれも当時の能の実態を伝える好資料であり,他の著作とともに,後代の能・囃子伝書の出発点をなす論として注目すべき内容を備えている。…

【金春流】より

…1432‐80)も父に劣らぬ名手で,一条兼良の愛顧を受け,応仁の乱前後に活躍したが,1480年(文明12)に急逝したため,子の八郎元安(金春禅鳳(ぜんぽう))が27歳で大夫を継ぎ,父祖同様,奈良を中心に活動を続け,将軍足利義政・義尚の後援でときめく観世に対抗,40代に京都進出の機会を得,1505年(永正2)粟田口で勧進能を興行し盛名を馳せた。《反古裏之書(ほごうらのしよ)》ほか当時の演能の実態を示す伝書を著し,《嵐山》《一角仙人》など異色の作品も残している。 織豊期から江戸初期にかけて,60世氏照(宗瑞),61世喜勝(岌蓮(ぎゆうれん)),62世安照(禅曲。…

※「《反古裏之書》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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