世界大百科事典(旧版)内の古ゲルマン社会の言及
【ゲルマン人】より
…文献史料には,前4世紀以来ギリシア語またはラテン語で書かれたきわめて断片的なものがいくつか残っているが,それらは別として,ゲルマン人の生活を最も具体的または総括的に述べた重要な文献は,なんといっても前1世紀の中葉にものされたカエサルの《ガリア戦記》と,後1世紀の末葉に書かれたタキトゥスの《ゲルマニア》の二つである。この紀元前後1世紀の2著作のあと,4世紀の民族大移動までの間の史料がきわめてまれであるため,歴史家はカエサル,タキトゥス時代のゲルマン社会を通常〈古ゲルマン社会〉と呼ぶ。なお古ゲルマン人のものの考え方や社会のあり方を推測する史料として北欧の〈エッダ〉や〈サガ〉,あるいはイングランドの《ベーオウルフ》などが挙げられるが,これらはいずれも後世の文学作品であるため,あくまで副次的なものとして援用されるべきである。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」