吉備津宮(読み)きびつのみや

世界大百科事典(旧版)内の吉備津宮の言及

【備中国】より

…細川氏の下で守護代に任じたのは荘,石川両氏であるが,守護家の勢力が衰えると,両守護代家や国人三村氏の勢力が台頭して本格的な戦国乱世を迎える。 中世の荘園としては,東寺領新見(にいみ)荘,神護寺領足守(あしもり)荘,南禅寺領三成(みなり)荘,安楽寿院領駅里(はゆまや)荘,相国寺領大井荘などが知られ,ほかに東福寺領上原(かんばら)郷,吉備津宮領隼島(はやしま)保,新熊野社領佐方(さかた)荘,万寿(ます)荘,多気(たけ)荘,長講堂領巨瀬(こせ)荘,六条院領大島保ほかの多くの荘園があり,皇室領荘園が多いのがめだつ。なかでも新見荘はもと本所職(ほんじよしき)を最勝光院(領家職は官務家小槻(おづき)氏)とする皇室領で鎌倉末期に東寺に寄進された荘園であるが,その関係文書の多いことでは東寺領播磨国矢野荘と双璧をなし,とくに1271年(文永8)の領家方正検帳,1325年(正中2)の地頭方実検取帳が案文(写し)ではあるがそろっている点は貴重であり,また筆まめな寺家の直務(じきむ)代官祐清(ゆうせい)や田所金子衡氏(かなごひらうじ)(もと安富氏の被官古屋弾正左衛門尉衡氏)の多数の詳細な書状が〈東寺百合(ひやくごう)文書〉に含まれていて,解体期荘園の苦難に満ちた実情をよく示してくれる。…

※「吉備津宮」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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