…なかでも歌舞伎は流行に大きな役割を果たし,役者は髪形,化粧,衣装などにたえず新奇をこらし,また化粧品の製造販売にまで関係した。とくに延宝(1673‐81)末に引退した上村吉弥は京都四条通りに白粉店を開き,吉弥白粉を発売したのが当たり,これにならって元禄(1688‐1704)初めごろから中村数馬,谷島主水(たにしまもんど),2世瀬川菊之丞ら数多くの役者が香具見世,油見世を開店した。八文字屋自笑の《役者全書》によると,江戸で安永年間(1772‐81)に役者経営の化粧品店は18軒にのぼった。…
※「吉弥白粉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
貨幣 (名目) 賃金額を消費者物価指数でデフレートしたもので,基準時に比較した賃金の購買力を計測するために用いられる。こうしたとらえ方は,名目賃金の上昇が物価の上昇によって実質的には減価させられている...