《否定の哲学》(読み)ひていのてつがく

世界大百科事典(旧版)内の《否定の哲学》の言及

【バシュラール】より

… 20世紀初頭ほぼ4分の1世紀に及んだ〈物理学の革命〉を目のあたりにして,科学をその動的な変化発展の相においてとらえるなかで,この変革期の科学の,その活動に即した意味を,従来の哲学や日常的認識,あるいはまた科学者自身に投げかけることに〈科学の哲学〉の位置を求めた。初期の代表的な著作《新しい科学的精神》(1934)は,相対性理論の非ニュートン力学的な性格や量子力学における非決定論のつぶさな検討を通じて,現代科学における認識の様式を〈非デカルト的認識論〉として提示するものだが,この把握が《否定の哲学》(1940)において,最も基本的なものと考えられていた原理や概念などの〈否定〉を介した包摂,二重化,補完に対して開かれた〈非の哲学〉として結実する。以上に科学のもたらす新しい認識に対して開かれた精神,さらには科学の発展を促す精神を追求する姿勢が見られるとすれば,それを妨げる〈認識論的障害〉の精神分析による排除が《科学的精神の形成》(1938)の目標であった。…

【マルクス主義】より

… 1960年代は,先進資本主義諸社会の管理社会化への反乱の時代となり,スターリン主義に対立したトロツキズムの再評価,文化大革命のなかでの反工業主義的な毛沢東主義,カストロ,ゲバラ,ホー・チ・ミンらの第三世界の武力革命などが交錯・結合してニューレフトの潮流を生んだ。そのなかで,ドイツからアメリカに亡命したアドルノやH.マルクーゼらのフランクフルト学派のマルクス主義的〈否定の哲学〉が再評価され,ドイツでの継承者ハーバーマスらが新しいマルクス主義的探求の分野をひらいた。こうして,現代のマルクス主義は,否定と再生の波にさらされている。…

※「《否定の哲学》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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