吸付(読み)すいつける

精選版 日本国語大辞典 「吸付」の意味・読み・例文・類語

すい‐つ・ける すひ‥【吸付】

〘他カ下一〙 すひつ・く 〘他カ下二〙
① 吸って付着させる。また、物を吸うように密着させる。吸引させる。
坑夫(1908)〈夏目漱石〉「眼が壺の様に引ッ込んで、眼球を遠慮なく、奥の方へ吸(ス)ひ附(ツ)けちまふ」
② 吸ってタバコに火をつける。タバコを吸う。
仮名草子東海道名所記(1659‐61頃)一「火を唼付(スイツケ)たる莨菪(たばこ)を所望し」
※にごりえ(1895)〈樋口一葉〉四「仕事を片づけて一服吸(スイ)つけ」
③ (「つける」は、いつもそうしなれているの意) 吸いなれる。タバコなど、いつもそれを吸う。

すい‐つ・く すひ‥【吸付】

[1] 〘自カ五(四)〙 吸って、または吸ったように、ぴったりとくっつく。吸ったように離れなくなる。密着する。
※宇津保(970‐999頃)国譲下「つきとつきぬる物は皆すいつきて」
古今著聞集(1254)一七「御指を一口にさしあてさせたまへば、うれしげに思て、すいつきまゐらせけり」
※彼岸過迄(1912)〈夏目漱石〉二二「彼の頭は考へれば考へる程、同じ場所に吸ひ付いたなり丸で動くことを知らなかった」
[2] 〘他カ下二〙 ⇒すいつける(吸付)

すい‐つき すひ‥【吸付】

〘名〙
① 吸いつくこと。また、そのもの。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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