世界大百科事典(旧版)内の《唯一者とその所有》の言及
【シュティルナー】より
…彼はL.A.フォイエルバハの〈人間〉も,B.バウアーの〈自己意識〉もともに〈人間なるもの〉という抽象体にすぎないと批判し,〈唯一者〉としての〈我〉こそ,普遍化されない単独者であると説いて,その所有(自分のものにすること)を,ラディカルな文体で主張した。主著《唯一者とその所有》(1845)で,彼は一躍人々の注目と非難の的となったが,1848年の革命の敗北とともに世間から忘れられ,極度の貧困の内に病死した。なお,《唯一者とその所有》は,辻潤により1920年には同題でその部分訳が,21年には《自我経》との題で完訳がなされている。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」