世界大百科事典(旧版)内の《困難な時代》の言及
【スレプツォフ】より
…モスクワ大学医学部を中退して演劇の世界に入ったが,再び復学して今度は民族学を学び,全国を放浪して文学生活の基盤を培った。文壇にデビューした1860年ころにチェルヌイシェフスキーの思想に触れ,コミューン運動や婦人解放運動に従事,代表作の《困難な時代》(1865)では社会主義的なラズノチンツィを主人公とした。他方,雑誌《現代人》を舞台に,《泊り客》《コサック》《死んだ肉体》などの民衆生活を直視した作品を,主として1863‐66年ころに書き,人民の否定的側面を美化せずに,その〈苦い現実〉をコミカルな筆致に載せてあえて活写し,後のリアリズムに影響を与えた。…
※「《困難な時代》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」