世界大百科事典(旧版)内の国立銀行券の言及
【貨幣】より
…その後,同条例は75年に貨幣条例と改称された。貨幣制度の形式的整備がこのように進む一方で,現実の通貨としては,太政官札以降の前記政府紙幣,為替会社紙幣,1872年の国立銀行条例による国立銀行券等の不換紙幣が主として流通していた。この混乱を整理し独占的に兌換券の発行を行わしむるために,82年,日本銀行条例によって唯一の発券中央銀行として日本銀行が設立された。…
【国立銀行】より
…ただ,これらの国立銀行は,全国各府県に設立され,しかも県都を中心に散在していたため,地方における商品生産や流通の発展に一定の役割を果たした。しかし,国立銀行券が不換紙幣と同質化し,インフレを助長するに至ったため,政府は紙幣整理に着手し,日本銀行設立(1882)と同時に銀行券の発行を日銀のみに限定することとし,83年には国立銀行条例を再改正し,国立銀行は開業後満20年の間に普通銀行に転換し,国立銀行券を漸次消却することを定めた。この結果,99年2月の第百五十三銀行を最後に国立銀行は姿を消した。…
※「国立銀行券」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」