世界大百科事典(旧版)内の土地総割替派の言及
【人民の意志派】より
…1879年の夏にロシアで結成された革命組織。ナロードニキの革命組織〈土地と自由〉結社の分裂で誕生。〈土地総割替(チョールヌイ・ペレジェル)〉派が農村の農民蜂起による社会革命を志向したのに対し,〈人民の意志〉派は都市でのテロ活動を中心とする政治闘争を当面の戦術とし,党による帝政打倒,政権奪取,普通選挙の実施,立憲議会,社会主義の樹立,という革命路線を主張した。この路線の基礎には,ロシアの国民の圧倒的多数は農民であり,農民は共同体的生活習慣によって社会主義的であるというナロードニキ特有の認識がある。…
【ナロードニキ】より
…近代ロシアの生んだ独特な革命思想および運動の担い手たちをいう。ナロードニキとは元来,1876年に結成された革命結社のメンバーが自らの立場を称した言葉で,その後もいくつもある分派の中の一つを指す言葉であった。しかし,90年代のマルクス主義者が自分たちが絶縁する過去の革命思想の総体を指す言葉として拡大して使い,これが定着している。ナロードニキ主義とは,後進国ロシアが先進資本主義,自由主義的西欧を拒否して,ロシアの共同体的伝統を手がかりとして,これに先進西欧の生み出した社会主義思想を結合することによって,資本主義発展の道を通らないでも,一挙に社会主義に進みうるし,進まねばならないとする思想である。…
※「土地総割替派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」