世界大百科事典(旧版)内の在家帳の言及
【戸籍】より
…しかし,11世紀後半以降に形成され,13世紀前半に確立する中世の土地制度と負担体系は,人頭税を欠如していたので,戸籍を本質的に必要としなかったから,どのように遅くみても13世紀には戸籍は消滅したとみられる。 これに代わるものとして,田畠とともに検注された在家の公式帳簿として,〈福智院文書〉の建長7年(1255)11月,春日社神人申状に,〈代々国前〉に明鏡な〈在家帳(ざいけちよう)〉といわれたように,平民百姓の在家を郷・保の単位ごとに記載,その数を集計したとみられる在家帳が国衙に備えられた。また,在家役をはじめとする課役を免除された供御人,神人などについては,別に供御人交名(くごにんきようみよう),神人(じにん)交名が作成され,国衙や寺社が保管した。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」