地すべり地形(読み)じすべりちけい

最新 地学事典 「地すべり地形」の解説

じすべりちけい
地すべり地形

landslide topography ,landslide landform

狭義の地すべり運動によって形成される,おおむね小地形以下のオーダーの地形,あるいはそれらの地形の集合。後者は地表面輪郭構造(大八木則夫,2004)として識別される単位地すべり地形(古谷尊彦,1980)に相当する。地すべり(landslide)の概念が日本と海外とで異なるため,「landslide topography(landform)」は海外ではほぼ使用されない。地すべりは発生域(侵食域または削剝域)と移送域,堆積域(押出し域)とに大きく区分されるが,それぞれに特徴的な微地形が形成される。前者には滑落崖,分離崖,側方崖,陥没(溝状)凹地,分離小丘,寸断された小谷など,後者には膨隆による凸形の地形,縦走亀裂,圧縮リッジ,末端崖などがある。これらの微地形および変動域全体の形状は,地すべり運動の物質やその構造,運動速度や機構などを反映したものとなっている。地すべり地形の認定空中写真判読によってなされてきたが,近年航空レーザ測量で得られた高精度DEM(数値標高モデル)による地形図判読が有力な手法となってきた。人工知能を用いた抽出も試みられている。

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出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

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世界大百科事典(旧版)内の地すべり地形の言及

【地形】より

… 例えば新第三紀層ケツ岩は不透水性で,水を含むと滑りやすくなり,その風化粘土層は滑り面となってその上の土塊が移動を始める。地すべり地形の斜面は全体がなだらかで頂部に半環状の小崖を生じ,中腹以下は複雑な小起伏地となり,ひだ状の凹地がいくつもできて池沼が散在する。こうした地形は山形,新潟,長野など各県の新第三紀層山地にしばしば見られ,これら山地では,地すべりが斜面形成の主要な営力である。…

※「地すべり地形」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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