地位保全仮処分(読み)ちいほぜんかりしょぶん

世界大百科事典(旧版)内の地位保全仮処分の言及

【仮処分】より


[仮の地位を定める仮処分]
 例えば,A(使用者)がB(労働者)を解雇したのに対して,Bが不当労働行為,労働協約違反,就業規則違反等を理由として,その解雇の効力を争う場合,解雇が有効か否かが確定するまで相当長期の間,AがBに賃金を支払わず,就労を拒めば,Bおよびその家族は生活上の危険にさらされることになる。そこでBは,〈仮の地位を定める仮処分〉により,解雇の効力が確定するまでの間,BがAの従業員である地位を仮に定める旨の裁判をしてもらい,従前通り賃金を受け,就労できる状態を維持しようとするわけである(地位保全仮処分)。このように〈仮の地位を定める仮処分〉は,当事者間に権利や権利関係の存否について争いがあるために,当事者に著しい損害が生じたり,暴力沙汰など社会生活上の平穏が破壊される恐れがあるときに,これを避ける暫定的な処置を講ずるものである(23条2項)。…

※「地位保全仮処分」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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