坂本スミ子(読み)さかもとすみこ

世界大百科事典(旧版)内の坂本スミ子の言及

【楢山節考】より

…歌舞伎ふうの定式幕に〈トザイ,トーザイ,これよりご覧にいれまするは本朝姨捨の伝説より,楢山節考,楢山節考……〉という口上が聞こえてきて幕が引かれ,ラストの現代の風景を除く全編が舞台を思わせるセットのなかで展開,そして場面転換にも〈振落し(書割の布をパラリと落としたとたんに背後の次の場面が見える)〉や〈引道具(前面の道具を脇へ引くにしたがって新しい情景に変わっていく)〉といった歌舞伎の舞台の早替りの手法が使われ,音楽にも歌舞伎ふうに義太夫や長唄や浄瑠璃が使われるといったように,徹底的に〈様式化された〉画面構成による作劇法(シネマトゥルギー)の成功で木下恵介の代表作の一本となっている。 83年には今村昌平監督により再映画化され,こちらは例えばおりん婆さんが自分から石で前歯を欠くところは主演女優の坂本スミ子に実際に抜歯させるなど,徹底的なリアリズムに貫かれた作品である。いずれの作品も海外で高く評価され,今村作品は84年カンヌ映画祭グラン・プリを受賞した。…

※「坂本スミ子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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