世界大百科事典(旧版)内の場吊り提灯の言及
【舞台照明】より
…特に提灯は火袋に役者の名や紋を入れることができたので装飾的,儀式的な効果として使われた。劇場の見物席,両側の桟敷上方に役者の名前などを書いてつるす〈場吊り提灯〉などその慣習は今も劇場に伝わっているが,提灯の灯具の機能・特性からは,舞台全体に光を与える全体照明としての効果は少なかった。むしろ部分照明のための携行用の灯具として角形の燭台に長い柄をつけた〈面明(つらあかり)〉または〈差出し〉と呼ばれる灯火用具が舞台や花道の役者の表情を強調する手法として用いられた(具体的には2人の後見(こうけん)が前後から差し出して照らす)。…
※「場吊り提灯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」