世界大百科事典(旧版)内の多父の言及
【家父長制】より
…【西村 重雄】
[中国]
甲骨文や金文では,〈父〉字は権威のシンボル(斧,杖,火などの諸説あり)を手に持った形といわれ,子に対する父の権威は早くから成立していた。しかし殷代の父は一面で実父の世代に与えられた類別的親族称呼でもあった(多父)。殷の中期以後,王位の継承は兄弟相続から父子相続に変化し,周も嫡長子を宗家の継承人とする宗法が発達したが,殷・周時代の父子関係にはまだ宗族組織が強くからんでいた。…
※「多父」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」