世界大百科事典(旧版)内の大倭寇の言及
【海賊】より
…しかるに15~16世紀ころ,内外市場の成長を背景として〈海禁〉を破って密貿易が展開され,これが弾圧されるとついに〈嘉靖の海寇〉の激発となった。これを〈大倭寇〉ともいうが,日本海賊の参加は小部分にすぎず,当時明朝の重税誅求(ちゆうきゆう)に耐えず江蘇,浙江,福建など沿海地一帯にあふれた中国貧窮民が大部分を占め,失職官吏,落第書生などの不平分子も混入した。これを率いた海寇首領はだいたい私貿易公許を望む新興商人層で,徽州塩商人出身の王直などを除き一般に福建省漳州の商人たちが多く,彼らはすでに南海,日本にまたがる密貿易に従事していたが,ここにいたって本土沿海の各島嶼や日本の五島などに拠点を設け,数百千の舟隻を連ねて浙江,福建沿海地に来襲し,ときに南京にまで迫った。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」