世界大百科事典(旧版)内の大学才人の言及
【イギリス文学】より
…しかし〈戯曲〉として論ずるに足る作品が現れるには,エリザベス時代を待たなければならない。《スペイン悲劇》によって復讐劇の流行を作ったキッド,《タンバレーン大王》《フォースタス博士》によって壮大なルネサンス的人間の野望と挫折を描いたマーローなど,〈大学才人〉と総称される劇作家たちがロンドンの劇壇に輩出したさまは壮観であった。これらの先輩作家がいなかったなら,彼らの嫉妬を招いたほどのシェークスピアの成功もありえなかっただろう。…
【エリザベス時代】より
… 演劇の分野では,1576年にロンドンではじめて常設の劇場が開かれたのをきっかけに,次々と劇場が建設され,王室や貴族をパトロンとする劇団も数多く組織されることになった。80年代に先駆的役割を果たした大学卒のインテリ劇作家たち(大学才人)の中では,典雅な宮廷喜劇の創始者ジョン・リリーと,力強い劇詩のリズムとイメージを駆使してルネサンスの人間的欲望をテーマとする悲劇を書いたクリストファー・マーローが特に重要である。シェークスピアは彼らのあとを継いでエリザベス朝演劇を完成へと導いた。…
※「大学才人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」