世界大百科事典(旧版)内の天津甘栗の言及
【甘栗】より
…中国栗をなべの中で砂といっしょにいり,熱がよく通ったときにゴマ油と砂糖を加えていり上げたもの。糖炒栗子と呼び,中国北部の重要な間食である。甘栗の作り方は,日本も中国も同じである。甘栗にするクリは中国北部の河北省辺で多産する。天津が集産地であったから日本では天津栗というが中国では板栗といい,品質は最も優れている。日本では平安時代,大臣に新任されたときの大饗(たいきよう)などのさい,朝廷から蘇(そ)と甘栗を賜るならわしがあり,それを届ける勅使を蘇甘栗使(そあまぐりのつかい)と呼んだ。…
【クリ(栗)】より
…(1)チュウゴクグリC.mollissima Blume.(英名Chinese chestnut)は中国原産で,板栗といい,華北から雲南地方に分布する。天津甘栗あるいは甘栗の名称で市販されている焼き栗は華北の万里の長城周辺地域で生産されたものが天津市に集荷され,そこから輸出されたためにつけられた名前である。渋皮がはがれやすく,焼き栗にしたとき食べやすいが,日本での栽培はクリタマバチ被害のためむずかしい。…
【天津】より
…伝統工業では天津地毯が有名。周辺諸県は低湿地が多く,小站米で知られる日本種の水稲作が盛んで,また天津水蜜桃,板栗(甘栗用の栗,いわゆる天津甘栗),洋梨などの果樹作や野菜栽培でも以前から有名であった。さらに塘沽等は渤海の海面漁業基地でもある。…
※「天津甘栗」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」