太医署(読み)たいいしょ

世界大百科事典(旧版)内の太医署の言及

【医者】より

…漢代には官吏などを治療した太医令以下の医官と天子や皇族を治療した侍医があり,軍隊には軍医がいた。制度の整った唐代には,中央には天子や皇族の健康を管理した尚薬局と官吏を対象にした太医署が設置され,太医署には医,鍼,按摩,呪禁の4科があり,それぞれに博士,助教,師,工,生がいた。生は学生で《素問》(《黄帝内経》),《甲乙経》《脈経》などを読むことが義務づけられ,その課程を終了したのち試験を受け,合格者だけが採用されることになっていた。…

【医療】より

…まじないの類は時代によっては宗教行為とも結びついて盛んになり,後漢末から六朝時代には太平道や五斗米道(ごとべいどう)などの運動のなかで護符を飲むことが流行した。唐時代もまじないを重視した時代で,それを用いて治療する咒禁(じゆきん)科は中央医療機関である太医署に設置された4診療科のうちの一つに挙げられていた。まじないは明時代の太医院にも祝由科として残されていたが,その比重は低下した。…

※「太医署」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」