世界大百科事典(旧版)内の太為仁歌の言及
【いろは歌】より
…歌の意味は〈色は匂へど散りぬるを,我が世たれぞ常ならむ,有為の奥山今日越えて浅き夢見じ,酔ひもせず〉で,《涅槃経》の四句の偈(げ)〈諸行無常,是生滅法,生滅滅已,寂滅為楽〉の意をとったものという。手習歌は平安初期に〈あめつちの詞〉があって48のかなからなり,ア行ヤ行のエの音の区別があった時期の状態を反映しているが,後にその[e][je]の区別が失われ,源為憲は970年ころ(天禄年間)著したその著《口遊(くちずさみ)》の中で48字の〈あめつちの詞〉をしりぞけ,47字の〈太為仁歌(たゐに歌)〉を作ってこれがすぐれていると称している。したがってそのころ〈いろは歌〉はいまだ世に行われていなかったとみられる。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」