世界大百科事典(旧版)内の夷務の言及
【洋務運動】より
…19世紀後半,中国の清末に起こった西洋の科学,技術を導入して自強をはかろうとした改革運動。洋務の語はそれまで〈夷務〉と称され,清朝と諸外国との関係・交渉の事務いっさいを指していたが,アヘン戦争以降,洋務は,魏源,林則徐,馮桂芬(ふうけいふん),王韜(おうとう)(1828‐97)によって唱えられるようになり,中学を体(本体)とし西洋を用(作用)とする中体西用論を旨とした欧米の文物の摂取,受容をその内容とする。そして曾国藩,李鴻章,左宗棠(さそうとう)などの有力督撫(総督・巡撫)によって推進された洋務運動は,初期には太平天国対策や辺境防備など軍事力の増強に力が入れられ,やがて教育や実業などの各方面にも及んでいった。…
※「夷務」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」