奏摺(読み)そうしゅう

世界大百科事典(旧版)内の奏摺の言及

【軍機処】より

…(1)毎日,皇帝に進見して諮問に応じること。(2)〈題本〉という,内閣を経由する上奏文を処理し,また〈奏摺〉という,皇帝へ直接届けられる上奏文の処理を補佐すること。特に奏摺は独裁君主制の確立に重要な役割を果たした制度であり,その維持運営にとって軍機処は不可欠な機関であった。…

【硃批諭旨】より

…中国,清朝の雍正帝が,地方官から送られてくる奏摺に硃批(朱筆による諭旨)を書き加え,これを編纂したもの。《雍正硃批諭旨》ともいう。…

【雍正帝】より

…康熙帝の第4子で,帝位継承をめぐる抗争の末,46歳で即位,在位期間は短かったが,君主専制体制を確立するうえで力があった。官僚が皇帝に上奏するには,公式ルートを通じる題奏(題本)と直接,皇帝に密奏する摺奏(奏摺)の二つのルートがあったが,帝は後者を重んじ,地方官から積極的に情報を収集してみずから朱筆で意見を書き加えた(硃批(しゆひ)という)。このため重要な政治問題の決裁はすべて摺奏を通じて行われることになり,皇帝権力のいっそうの強化をもたらした。…

※「奏摺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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