世界大百科事典(旧版)内の《好色床談義》の言及
【好色文学】より
…《好色三所世帯》《真実伊勢物語》などは純然たる春本でもなく,紙一重のところで好色本となっているといえよう。この種には《好色訓蒙(きんもう)図彙》《好色増鏡(ますかがみ)》《浮世栄華一代男》《好色伝授》《好色旅枕(たびまくら)》《好色小柴垣(こしばがき)》《風流曲三味線》《好色床談義(とこだんぎ)》《諸遊芥子鹿子(けしがのこ)》《魂胆色遊懐男(こんたんいろあそびふところおとこ)》などが著名で,元禄・宝永より享保・寛延にわたって出ている。《逸著聞集》《はこやのひめごと》《あなをかし》を俗に色道の三奇書と称するが,ほかに《大東閨語(だいとうけいご)》《春臠柝甲(しゆんらんたくこう)》の文画ともに秀抜なものがある。…
【好色本】より
…男色女色を扱う浮世草子好色物を中核として,題材・表現に通じるところのある遊女評判記,野郎評判記など,また男色女色に関した即物的な知識や実際的な技巧を伝授する書物,春本などをも含むのが当時の理解であった。浮世草子作者に西鶴のほか西村市郎右衛門,夜食時分,雲風子林鴻(うんぷうしりんこう),小説以外には,好色諸風俗の紹介と性知識を盛る,浮世絵師吉田半兵衛の《好色訓蒙図彙(きんもうずい)》,好若処士の男色指南書《男色十寸鏡(ますかがみ)》,性的知識伝授書に西村の《好色注能毒》,山八(やまのやつ)の《好色床談義》などがある。浮世草子が小説として方法を確立した時期以後,1720年代ころよりは,好色本は春本を主とするものと理解されるようになっていったらしい。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」