世界大百科事典(旧版)内の委任的独裁の言及
【国家緊急権】より
…第3に,憲法の規定によらずに,国家緊急権が行使される場合である。 C.シュミットは,第2のものを委任的独裁,第3のものを主権的独裁とよぶ。第2のものの基礎には,緊急権の濫用を防止するためには,それを実定法上認めたうえで,条件,期間,手続等の点で制限を加えた方がよいとする考え方がある。…
【独裁】より
…特定の具体的な目的のために,例外状態としてみずからを規定するところに独裁の独裁たるゆえんがある,というわけである。シュミットはさらに,現行法秩序が危機にさらされたときにその形式的効力を一時停止し合法的に独裁が成立する〈委任的独裁kommissarische Diktatur〉と,人民主権を前提として現行法秩序をあるべき理想的法秩序におきかえる〈主権的独裁souveräne Diktatur〉とを区別した。〈委任的独裁〉は,〈非常大権〉にもとづく〈立憲的独裁〉であり,ワイマール憲法第48条の非常時独裁権はその例である。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」