世界大百科事典(旧版)内の子稲の言及
【イネ(稲)】より
… 東南アジアの稲作儀礼も,日本の稲作儀礼と同じように,播種や田植,収穫などをめぐって行われているが,日本や朝鮮半島などとちがって,稲魂の観念が顕著にみられる。スラウェシ(セレベス)島の中央に住む焼畑耕作民のバダ族は,イネに父稲と母稲があると信じ,子稲は,父稲と母稲のあいだから生まれると考えている。ジャワ島東部では,イネの収穫がすんで,これを倉入れする日に,普通のイネともち(糯)イネをそれぞれ二つの束にくくり,これを新郎と新婦にみたてて夫婦稲にし,呪術師の供養がすんでから,夫婦稲を箕(み)にのせて家にもち帰って米倉に安置する。…
【農耕儀礼】より
…また,最後の麦束の中に,麦霊の化身として,ヤギや豚,牛,馬などの動物が隠されているとも伝承されている。
[東南アジア,台湾]
東南アジアの稲作儀礼は,日本の稲作儀礼と同じように,播種や田植,収穫の儀礼を基調としているが,稲もまた麦と同じように擬人化され,男女の稲の結婚によって子稲が生まれると考えられている。インドネシアのバリ島やロンボク島では,収穫のとき,一部の稲を刈り取って男女二つの束に分ける。…
※「子稲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」