宇野理論(読み)うのりろん

世界大百科事典(旧版)内の宇野理論の言及

【宇野弘蔵】より

…主要な業績は,経済学の研究を原理論,段階論,現状分析の3分野に分けるいわゆる3段階論の提唱(《経済学方法論》1960,など),《資本論》の原理論としての再構成(《経済原論》上・下,1950‐52,など),蓄積様式の世界史的3類型の確定(《経済政策論》1954)などである。〈宇野理論〉は戦後マルクス経済学の最大の成果の一つであるが,正統的マルクス研究からは異端視される。70年代より国際的にも注目され,80年には《経済原論》の英訳が刊行された。…

【マルクス経済学】より

… しかし,これらの問題が真に解決されはじめたのは,マルクス経済学に対する政府の厳しい弾圧から解放されて自由な研究が開始された第2次大戦後のことであった。
[戦後の発展]
 戦後におけるマルクス経済学の発展には,講座派,労農派それぞれについて研究の進展がみられたが,しかしなんといっても最も重要な成果は,宇野弘蔵による新しいマルクス経済学の体系化(宇野理論)であった。 宇野は,戦前の日本資本主義論争を労農派に近い立場から両派を批判的に考察しつつ,日本社会に残存する封建的ないし非資本主義的諸関係は,資本の運動自身が必然的に生みだしているのではないか,すなわち資本主義が一定の段階に達すると,その運動様式は《資本論》に示された運動法則と異なってくる必然性があるのではないか,と考え,《資本論》と後進国における資本主義化との論理的関連を体系的に組み立てるよう追究した。…

※「宇野理論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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