世界大百科事典(旧版)内の安倍野童子の言及
【信田妻】より
…晴明の童名の安倍の童子は,安倍野(現,大阪市内)に育った童子の意だが,童子とは大寺に隷属し力役雑役などに携わる寺奴で,彼らはまた下級陰陽師,唱門師として卜占・祈禱にも従事することがあった。安倍野の里は四天王寺と住吉神社との中間の地だが,この地に安倍野童子と称された下級陰陽師,唱門師の集落があったのではないかと想像されている。また安倍野の近くの信太森(現,和泉市内)の聖(ひじり)神社には,末社に葛の葉社があって,この付近には江戸時代末まで陰陽師村があり,暦などを配っていたが,これらの陰陽の徒が葛の葉社の由来譚としてこの物語を語り始めたものと考えられている。…
※「安倍野童子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」