世界大百科事典(旧版)内の《宋詩紀事》の言及
【詩話】より
…まず,著と編に分けるならば,《六一居士詩話》を始めとする純然たる自著がもとより多数であるが,詩人・文人が詩について語ったことばを,その著作から第三者が抜粋,編集したもの,たとえば元代の陳秀民の手に成る《東坡詩話》,さらに過去のさまざまの詩話の内容を,みずからの意図するところに従って集成改編した場合として,南宋初に胡仔(こし)の《漁隠叢話》前集60巻・後集40巻があり,南宋末には魏慶之の《詩人玉屑(ぎよくせつ)》21巻がある。つぎに,時間的と空間的とに分けるならば,ある一時代の作品・作者に話題を限定したものとして,宋の計有功の《唐詩紀事》81巻,清の厲鶚(れいがく)・馬曰琯(ばえつかん)共編の《宋詩紀事》100巻がある。空間的なものとしては,一地域,たとえば浙江の詩人に対象を限定した,清の陶元藻の《浙江詩話》56巻などがあげられる。…
【厲鶚】より
…浙江省杭州府銭塘県に生まれ,宋代の文化にあこがれながら名勝西湖を清く深くうたいつづけて,この地方の詩壇を有名にした。葉タバコ販売の兄に育てられ,官職にも就けなかったが,天津の蔵書家査為仁と《絶妙好詞箋》7巻を著し,揚州の塩商出身の富豪馬曰琯(ばえつかん)と《宋詩紀事》100巻を編集するなど,その詩作と学問は都市文化の成熟に支えられている。【松村 昂】。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」