最新 地学事典 「定向配列」の解説
ていこうはいれつ
定向配列
preferred orientation
1)ファブリック要素が,そのベクトル的性質に関して統計的に一定の方向に配列(定方位配列)していること。着目するベクトル的性質により,形態定向性・格子定向性が区別される。格子定向性はW.Schmidt(1925)が初めて統計的に示したもので,構造岩石学の発展の端緒となった。形態定向性の場合,初生テクトナイトでは鉱物粒の形態のベクトル的性質がその定向機構(orienting mechanism)に関与しているが,その他のテクトナイトでは格子定向性が本質的意味をもち,形態定向性はそれが可視的に表現されたものとみなされる。テクトナイト形成に関与した要素的部分の機械的ならびに化学的過程をB.Sander(1911)は要素運動と名づけた。粒間すべり・粒内すべり・破断・キンクバンド形成などの機械的変形を直接的要素運動といい,イオンの拡散,溶液の移動,結晶作用などの化学的過程を間接的要素運動という。近年では格子定向配列(LPO)の代わりに結晶学的定向配列(CPO)が用いられることが多い。
執筆者:小島 丈児・高木 秀雄
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

